下手向城(しもとうげ) コの字形の土塁が残る城

【下向手城址の土塁跡】
■場所:恵那市山岡町下手向
■主な城主:渡辺権七郎
■別名:
■形式:山城
■築城年:不明
■城遺構:曲輪・堀切・竪堀・横堀・土塁・虎口
■標高:510m
■比高:50m

丹羽氏聞書によれば下手向は渡辺権七郎という人が治めていたようで、「其の古城の跡、下手向村に只今有之。石垣御堀等慥に有之候」といった内容が記されています。恵那市山岡町下向手地区の郵便局裏手の山が城址となります。登り口は少々わかりづらく、登り始めても最初は良好な遺構が本当にあるとは思えませんが、山頂にたどり着くと一転して眺望がひらけ、想像以上に面積の広い曲輪が現れます。曲輪は二段になっており、上段にはコの字形の比較的大型の土塁を見ることができます。さらに土塁を越えた先にはこれまた大型の堀切が、さらに主郭の一段下には形の良い竪堀、横堀、帯曲輪が保存され山城としての魅力を存分に楽しめると思います。また下向手城はその縄張の巧みさから地元勢力ではなく武田軍が築城または改修したとも考えられており、東濃における織田・武田の戦闘を語る上でも注目されます。


【堀切跡】

【腰郭跡】

【主郭の土塁跡】

【主郭の切岸】

<下手向城へのアクセス>
恵那市山岡町内の県道33号線を恵那市役所山岡振興事務所前から見て左側(西側)に1.2m程進んだところにある下向手簡易郵便局(下向手信号交差点を通過した300m先の右側にある)の脇から、右の山側に伸びている道があるのでここを入っていき、突き当りの民家の庭を抜けた先に登城口があります。付近の住民の方に声を掛けて入らせてもらうのがいいと思います。車は日曜日だったため簡易郵便局の空き地に止めさせていただきました。